生活習慣を見直してストレスをためない
過度なストレスはよいが過度になると問題
ストレスは、外部からの刺激によって生じる体の緊張状態であり、ゆがみです。ストレスには暑さや寒さ、騒音などによる物理的な刺激、公害物質などによる化学的刺激、人間関係や仕事、育児などによる心理的・社会的刺激などがあります。一般にいわれるストレスは、心理的・社会的刺激のことです。
とはいえ、ストレスは悪いことばかりではなく、過度なストレスは心身のバランスをとるための大切な要素です。過度に緊張しながら過ごしているからこそ危険管理ができ、安全に生活できるのです。しかし、体のバランスを崩すほどの過度なストレスは問題です。人には元に戻ろうとする生体恒常性という性質が備わっていて、ある程度のストレスがかかっても、しっかり休養をとれば元の状態に戻ることができます。しかし、強すぎるストレスが長期化する場合はそうはいきません。意識して逃げ道をつくってストレスを回避し、心身をリラックスさせることが必要です。
めまいは身体面のストレス反応の一つ
外部からのストレス刺激に適応しようとして、心身に生じる反応を「ストレス反応」といいます。メニエール病のめまいも、身体面のストレス反応の一つです。
一般的にストレス反応は、次の3つに分類されます。
1.心理面
不安、落ち込み、緊張、無気力、集中力の低下、思考力低下、イライラ、焦りなど
2.行動面
怒り、独立、拒食・過食、ミスや事故の増大など
3.症状面
めまい、頭痛、腹痛、疲労、節々の痛み、肩こり、胃痛、下痢・便秘、動悸、息切れなど
では、なぜストレスが心身面におよぶのでしょうか。ストレスが生じても、通常は交感神経・副交感神経の緊張と緩和によって自律神経はコントロールされています。しかし、過度なストレスが長期間かかると、副交感神経と交感神経のバランスが崩れて自律神経が乱れ、身体面にゆがみが生じるのです。
ストレスはめまい改善の障害にもなる
メニエール病はストレスが主原因といわれます。ストレスが強いときにめまいの症状が強く現れるからです。これは、めまいを改善する訓練にも影響をおよぼします。
「完全に症状が消えないと納得できない」という完璧主義者や、「忙しくて眠る暇がない」というストレスの強いタイプの人は、訓練による治療効果が出るまでに時間がかかります。このような人は、ストレスを解消するための生活習慣の改善と訓練法を併用して行うことをおすすめします。
生活習慣を見直してストレスをためない関連ページ
- 回転性のめまいや耳鳴りが頻繁に起こる
- 回転性のめまいが耳鳴りが頻繁に起こる場合はメニエール病が疑われます。
- めまい発作のメカニズムを理解しよう
- めまい発作のメカニズムを理解することで、めまいの改善も効率よく行うことができます。
- 病院で行う検査と診断条件
- メニエール病の病院で行う検査と診断条件とはどのようなめまいでしょうか。
- 小脳を訓練法で活性化する
- 小脳を活性化させる訓練法でメニエール病の症状を和らげるようにしましょう。
- 脳幹と小脳が機能することでめまいが改善する
- 脳幹と小脳が機能することでめまいが改善します。それは前庭代償という機能を活性化させることが大切です。
- 小脳を刺激するとめまいは回復する
- 前庭代償は、体に初めから備わってる機能ですが、それのみに頼ってしまっていては、めまいの回復に時間がかかってしまいます。小脳を刺激することでめまいは回復します。
- ストレスの解消方法をみつける
- めまいの原因がストレスからきている場合は、ストレスを解消する方法を考えましょう。
- 症状が重度の場合は手術を行うことも
- メニエール病のほとんどは、小脳を活性化させる訓練や生活の見直し、薬による治療により、症状も落ち着きます。