めまいの検査はふらつきと目の動きをみる
ふらつきの度合いから平衡機能を調べる
めまいの症状によって体がどの程度ふらつくかを見ることで、平衡機能の障害の有無や症状の重症度合いがわかります。検査方法は複数あり、症状によっていくつも行うこともあります。
直立・片足検査
両足、片足でそれぞれ1分間直立します。目を閉じた場合と開けた場合で調べて、ふらつきの有無や程度などを確認します。
目を閉じたときにふらつきが大きいときは、内耳の障害が疑われます。目を開けていてもふらつきの度合いが変わらない時は、小脳や脳幹に障害がある可能性があります。
重心動揺検査
目を閉じた状態と目を開けた状態で、それぞれ1分ずつまっすぐ立ちます。
その間の体の動きの変化を調ます。
体の動きを見ることで、平衡機能障害の原因が内耳にあるのか、または脳や中枢神経にあるのかがわかります。
足踏み検査
裸足になって、床に描かれた同心円の中心に立ちます。目を閉じて、両腕を前に伸ばした体勢で50回両足踏みをする。
内耳に障害があると、一定の方向に大きく動いていきます。脳の障害がある場合はふらつきがひどく、足踏み自体ができないことが多いです。
歩行検査
目を閉じて、6メートル真っ直ぐに歩く検査。内耳に障害があると、
左右どちらかに大きくずれていきます。
書字検査
目を閉じた状態で書いた文字と、目を開けて書いた状態で書いた文字を比べて、
ズレや曲がり具合などを確認する。
目の動きから障害の有無を確認する
めまいやふらつきの症状があると「眼振」という眼球が振り子のように動く症状が起きることがあります。この症状は検査を行うことで、内耳と脳のどちらかに障害があることがわかります。
非注視眼振検査
裸眼でものを注視しない状態では目振の症状がでるのかを確認します。目の動きを確認しやすいように、フレンツェル眼鏡という検査用の眼鏡を使用します。近年では赤外線CCDカメラを使用した目振検査もよく行われています。
内耳に障害があると目振の症状が現れます。また、小脳や脳幹に障害がある場合には、注視眼振検査でも非注視眼振検査でも眼振の症状が現れます。
注視眼振検査
裸眼でものを注視したときに、目振の症状がでるのかを確認します。頭を動かさないで、目だけで視線を上下左右に移動させます。その間に目振が起こるかを確認します。
小脳や脳幹に障害があると、目振の症状が現れます。しかし、内耳に障害がある場合はこの検査では目振の症状が出ないので、非注視眼振検査も行います。
温度刺激検査
非注視眼振検査の一種で、フレンツェル眼鏡を使用し、耳に冷水または温水を少量入れます。内耳が健康なら目振の症状がでますが、障害があるとめまいを感じにくく、目振の症状も現れません。
2つのタイプの検査から障害の有無を確認する
めまいやふらつきの原因のひとつに、身体の平衡機能障害が考えられます。平衡機能は、内耳のほかにも、小脳や脳幹がそれぞれ担っています。そこで、症状がどの部分の障害によるものなのかを確認する必要があります。
そのために行われる検査は、重心動揺検査や足踏みなど、実際に身体を動かすことで確認できる検査です。一方、めまいやふらつきが起きたときに、目の動きや様子を見る検査が、「眼振検査」です。
眼振とは、眼球が上下、左右の一方にかたよったあと、中央に戻ってくる、振り子のような動きの症状のことです。目振がどんな条件で、どのように現れるかを調べることによって、どこの機能に障害があるのかが明らかになります。
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