脳から生じるめまい
脳から引き起こされるめまいは、耳からくるめまいと比べて、あまり多くありません。(めまい全体の約10%前後)しかし中には重大な病気が潜んでいることもあります。
例えば、今までにないぐらいの激しいめまいに襲われた時には、脳梗塞の可能性も考えられます。
その代表的な症状は、
- ろれつが回らない
- 言葉が出てこない
- 物が二重に見えてしまう
- まっすぐに歩けない
- マヒやしびれが起きる
- 力が入らない
このような症状の時は、早急に医療機関を受診することが大切です。
脳は約140億個ほどの細胞からつくられており、「大脳、間脳、小脳、脳幹」の主に4つの組織から成り立っています。
めまいの原因となる脳の障害として考えられるのは、主に小脳、脳幹などの損傷です。
1.小脳
小脳は左右の半球にわかれていて、その中央に虫部という細かい溝が存在します。半球は手足がスムーズに動かすことができるように、複雑な手足の動きをコントロールして、虫部は姿勢を調整し、体のバランスを保つ働きをします。
2.脳幹
脳幹は脳と脊髄を結んでいる場所で、各種の神経伝達路が通っています。中脳は筋肉の緊張、運動、眼球の動きなどを調整する働きをします。
脳で情報処理が正確に行えずにめまいが起きる
私たちは普段、目を閉じていても体の位置や動きを感じることができます。これは大脳や小脳、脳幹が体のバランスに関する情報を正確に集め、処理しているからです。
しかし、脳梗塞や脳出血などの影響で、脳の一部がダメージを受けてしまうと、感覚器から伝わってくる情報を脳が正確に処理できなくなります。そしてズレが生じることで、めまいが起こるのです。
それと同時に、手足の運動や言葉、知覚などもダメージを受けます。左右の脳は体の反対側を支配しているので、右の脳に何かしらの障害が起きると左側に影響が、左の脳に何かしらの障害が起きると右側に影響が現れてきます。
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